ピンクの象
西荻窪雑貨屋巡りをして、一つだけ買物をした。
それが、買物というか何と言うか・・・。
『CHERRYBOMB(チェリィボム)』さんのショーケースの中で、
気になって仕方なかった箸置程度の大きさのピンクの象。
2,000円という値段を確認して迷いに迷ったものの、
見せてもらうことにした。
買物というのは不思議なもので、
手にしたとたんに「あ、いらないや」と思う物もあれば、
まるで自分の物のようにぴたりと手に吸いつく物もある。
で、この象はですね。
取りあげるかあげないかのうちに、指先から滑り落ちた!!
ガラスの天板の上でカツーンという硬質な音が響き、
欠片が飛んでいくのが目に入った。
先頭の象の鼻が欠けてしまったのだ。
反射的に「ごめんなさい、買います」と言っていた。
申し訳ない気持ちはもちろん、象に
「連れて帰って~」と言われた気持ちがしたのだ。
破損した場合は8割の金額ということだったので
1,600円をお支払いした。
問題は、鼻。
欠けた飛んでいった鼻が見つからない。
お店の方は一生懸命探してくれたものの、
壊した上に手間をかけては申し訳ないので
連絡先を残してお店を出た。
でもね、見つかったんですよー。
お店を出て15分くらいしたら、携帯に電話をいただいて。
きっと必死で探してくれたんだろうな。
本当にありがとうございました。
鼻が見つかったからというわけでもないのだけれど、
もう200円受け取っていただいた。
「完全品じゃないので定価は心苦しい」
とのことなので間をとったのだが、
だいたい私が壊したんだってば。
それにしても、さんざんアンティーク屋とか雑貨屋を
巡ってきたけれど、こんな経験ははじめて。
売り物を見せてもらうときには
すごーく気をつかっていたつもりだったんだけどな。
当分の間、割れ物を持ち上げるときには
ドキドキしちゃうことでしょう。
「雑貨屋では買う気が全くない物は見せてもらわない」
というポリシーを、改めて心に留めました。
欠けてしまった鼻。
補修後のピンクの象。
実物も、ぱっと見ただけではわからないくらい
綺麗になおってうれしい。
にょろりとした形だとかチビ象が4頭連なっているところだとか
ぱお~んと持ち上げた鼻だとか薄ピンクの色合いだとか。
見れば見るほど「なんなんだよ、これは!」というシロモノ。
これを作った人は、どんな気持ちで作ったんだろう・・・。
それを思うにつけ、脱力感と共に惹かれてやまないのです。
ピンクの象さんとひこさんとの運命だったのかも☆ですね。
写真でみても不思議なカタチ。
でも優しくてなんとなく惹かれます。