マイケル・ジャクソンと古いビデオテープ
もともと音楽にあまり興味がないし、洋楽となるとなおさら。
なので、マイケル・ジャクソンがどういう人なのかも、
どういう曲があるのかも、ほとんど知らなかった。
が、連日ラジオから流れてくる追悼リクエストに、
「これもマイケルの曲!?」と驚いている。
中でも、一番好きなクリスマスソング『ママがサンタにキスをした』が
子ども時代のマイケルの歌声だったのにはびっくりした。
それに、ニュースで流される彼のダンス映像!
私にはダンスに対する知識なんてないし、
ある程度の上手い下手はわかっても、
本当には理解できないと思っていた。
それなのに一目で惹きつけられて、天才だと感じた。
彼は、音楽そのものに見えた。
素晴らしい芸術というのは、誰にでもわかるものなんだね。
という話を恋人の家でしていたところ、
リアルタイムでマイケル・ジャクソンを聞いていたという彼が
古いビデオテープを引っ張り出してきてくれた。
『Thriller』のメイキング映像つきミュージックビデオ。
「メイキング映像つきは貴重なんだよ」と言いながら、
すっかりノイズの入ったビデオを再生する。
映画のようなストーリー仕立ての構成に
「小芝居とかいらないって!」と突っ込んでいたら
「はじめてプロモーションビデオに小芝居を入れたのが
マイケル・ジャクソンなんだ!!」と叱られた。
そ、そうなの?(本当にはじめてかどうかは不明です)
特殊メイクは今では笑っちゃうようなレベルのものだし、
衣装だって時代を感じさせる。
でも、そんなことはマイナスにならないほど、かっこよかった。
メイキング部分では、ミッキーマウスがついたピンクのトレーナーを
着たマイケルが、子どもみたいに笑っていた。
あれだけスキャンダルに騒ぎ立てられていたのは、
本当にスターだったからなんだなと思うと同時に、
もっと守られるべき人だったんじゃないかと思いました。
せっかく同時代に生きていたのだから、早く知ればよかった。
皮肉なようだけれども、亡くなったことで雑音が小さくなって
才能に触れる機会ができた。
ご冥福をお祈りいたします。
マイケルの「スリラー」は小芝居もそうだけど黒人がPVに出演した初めてのものなんだよ。
黒人と白人の人種差別に対して物申す歌が多かったのも彼ならでは。そのせいであんな白いオバケ顔になってしまったのだけれど。
大人と子供、白人と黒人、スーパースターでありながら世界中の幸せを願っていた、慈愛に満ちた人だったんだと思います。
他にもいい歌がたくさんあるので是非聞いてみて。