『無痛~診える眼~』2話あらすじと感想。貧困と医療費、白神の病院経営

公開日:  最終更新日:2015/11/07

ドラマ『無痛~診える眼~』2話のあらすじと感想です。2話は「同じ能力を持つ男が天才に迫る」、放送日時は2015年10月14日(水)でした。

フジテレビで毎週水曜日夜10時、インターネットで放送後最大7日間無料の「見逃し配信」があります。
無痛~診える眼~ – フジテレビ

『無痛~診える眼~』2話のあらすじ。貧困で医療費が払えない患者と病院経営

登場人物の説明は公式サイト参照。写真をクリックすると説明が見られます。
無痛~診える眼~ | 相関図 – フジテレビ

以下、ネタバレありです。

為頼が和枝の退院に付き添っていると、院長の白神が病院を案内したいと申し出る。最新設備をそろえ、診療を待つ患者も少ない理想的な病院。白神は裕福な患者から特別料金を取り、サービス向上にあてていた。為頼は白神に、自分の診療所では手に負えない患者には白神の病院を紹介すると言った。

為頼の診療所に、女の子の患者と母親が診療にやって来た。為頼が、なぜ昨夜のうちに連れて来なかったのかとたずねると、母親は医療費が払えないと言う。和枝は、生活保護を受けるほどではないが、健康保険に入る余裕はない人たちがいるとつぶやく。為頼は母親に、医療費は払えるようになってからでいいと告げた。

早瀬刑事は、殺人事件の現場検証をしている。質素なアパートの一室で、男性が刺されて死んでいた。山田の知人男性が逮捕され、わずかな金目的の犯行だと自白するが、早瀬は曖昧な供述に納得できない。

早瀬は為頼の能力について調べているうちに、為頼の恩師である久留米にたどり着いていた。早瀬は久留米の家を訪れ、為頼には殺人を犯す人間にあらわれる「犯因症」が見えることを知る。

早瀬は為頼の診療所に行き、殺したあとでも犯因症が見えるのかとたずねる。為頼が数日間は残ることが多いと答えると、容疑者を見て欲しいと頼む。容疑者を見た為頼は、犯因症が見えず・病気を抱えていると伝える。

容疑者が犯人でないなら、なぜ自白をしたのかがわからない・・。

白神が為頼の診療所を訪れる。為頼の病気を見抜く能力に気がつき、新しい病院の院長としてスカウトしに来たのだ。白神は、自分が理想とする無痛治療について熱く語る。実現するために、為頼に来て欲しいのだと。

白神は、為頼の診療所から白神の病院に紹介された6人の患者全員が亡くなったことを告げ、助からない患者を送り込んでいるのではないかとたずねる。為頼は、患者の意思を尊重しただけだと答える。

早瀬は殺人事件を調べていくうちに、被害者が病院に恨みを持っていたことと肺気腫を患っていたこと、容疑者の証言が嘘であることを知る。

早瀬は為頼に被害者の資料を見てもらう。為頼は、被害者が病気を原因とした鬱病だったと判断する。同時に、お金がなく病気の容疑者には逮捕されたい理由があると言う。

早瀬は容疑者が被害者から奪った金を、容疑者の母親の家に届けたことを突き止めた。容疑者と被害者は友人だった。

容疑者は事件の日、病気を苦にして鬱になった被害者に呼びだされた。被害者は容疑者に、自分は自殺するので、犯人をよそおい刑務所に行くことをすすめた。刑務所に入れば治療が受けられる。

容疑者は止めるが、被害者は包丁を自分に突き刺した。容疑者はためらいながらも包丁の柄に指紋をつけて、金を持って部屋を出た。これが事件の真相だった。

解決後、早瀬は、「犯因症」を見える目は自分にあればよかったと言う。為頼はそんな早瀬に言葉を選ぶようにして「君は、正義感が強すぎる」と言う。早瀬は「俺は警察官です。当然じゃないですか」と答える。

白神の病院では、臨床心理士の菜見子が、患者であるサトミが一家惨殺事件をやったと言ったことを白神に報告する。サトミは両親から受けた虐待が原因で強迫性障害になり、回復しつつあるところだった。白神は警察には知らせず見守ると判断した。

また、白神はイバラの手に包帯が巻かれていることに気がつく。イバラは廊下でころんだ拍子に手を切り、菜見子に手当をしてもらっていた。白神はイバラに「どこで怪我をした、誰かに見られたか?」と緊迫した表情で問い詰める。

『無痛~診える眼~』2話の感想。本当の平等とは何か

『無痛』1話は通り魔事件と神経ガスという派手な事件だったけれど、2話はしっとりと悲しみを伝える殺人偽装だった。

白神の理想の病院経営

白神の理想の病院経営と、貧困のために医療費が払えない患者が軸になっています。白神に美人秘書が加わって、あやしさが増してきているような気が・・。

白神の目指している病院は、お金持ちのためのもの。貧乏人は理想の治療を受けられない。

それを強調するかのように、医療費が払えない母子と、同じく医療費が払えないために自殺した人、刑務所に入って治療を受けようとする人が描かれる。

刑務所に入りたいために犯罪を犯す人というのは『踊る大捜査線』でも描かれていたし、実際に存在するそうです。特に高齢者に多いのだとか。

白神の理念では、こういう人たちは救えない。為頼はこういう人たちも救いたい。そう見えました。

刑法39条。平等は本当に平等なのか

私はこれは、刑法39条(心神喪失者の行為は、罰しない。 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する)の問題にもつながるのではないかと思った。人はどこまで平等であるべきか?本当の平等はどういうものか?ということ。

お金を持っている人は最良の治療を受けられて、お金がない人は治療を受けることすらできない。不公平に見えるけれど、じゃあお金持ちと貧乏人の差は?と考えると、生まれつきの貧富の差もある。能力や努力の差もある。

それをすべて平等にしようというのは、本当の平等なのか?

同じように、「心神喪失者の行為は、罰しない」というのは正しいのか?罪を犯したのに、それを償う能力がないとみなすのは逆差別ではないのか?

私が子供のころ、みんなで遊んでいるときに「おみそ」「みそっかす」というルールがあったんですよね。仲間内で年下の子は「おみそ」と言って、鬼ごっこで鬼につかまっても鬼にならずに見逃される。ドッチボールでボールを当てられてもセーフ。一人前じゃない。

でも、「おみそ」は、自分が特別扱いされていることがわかると、すねたり怒りだす。責任を負わされないこともまた、差別なのではないでしょうか。

そんな、平等について考えさせられた回でした。

 

現代の、自殺の原因のトップは健康問題なんですよね。病気の辛さから鬱状態になり、自殺をしてしまう。ドラマでは貧困のために治療が受けられず鬱になったように描かれていますが、現実では、治療を受けられても、病気や治療の辛さから逃れられないことも多い。白神の理想とする無痛治療は、そういう患者を救うためでもあると思いました。

 

2話では「犯因症」がどういうものなのか、しっかりと漢字つきで説明されて良かったです。サトミちゃんの「強迫性障害」も、どういう病状なのか気になります。

『無痛~診える眼~』3話の予告とストーリー

3話の予告ストーリーが公式サイトで公開されています。
無痛〜診える眼〜|ストーリー #03 – フジテレビ

3話では3年前に早瀬が逮捕した篠崎大和という男性が登場。篠崎には殺人容疑がかけられたが、妄想型統合失調症と診断され無罪となり、精神病院に入院していた。

この篠崎が、早瀬がいつも上司にチクチク嫌味を言われている、飛ばされた原因なのかな?

為頼が早瀬に、犯因症が出ていることを告げるシーンもあり、早瀬がどういう風に受けとめるのか楽しみです。

『無痛~診える眼~』の原作と続編はこちら。

 

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